修理人的ジャンクカメラ選び

フィルムカメラを購入する時、カメラ店で店員さんから説明を聞けるのなら安心ですが、
詳しく状態の説明を聞けない専門外のお店や、ジャンク品から
掘り出し物を探したくなるのもカメラ好きの性です。
先日も夕方、友人から電話がありました。
「今、ハードオフにいるんですけど」
話しはご想像の通りです(笑)
さすがにカメラ修理を仕事にしているので、外見的にどんな酷いジャンク品であっても、
チェックすべき箇所さえ確認できれば購入して部品取りのストックにすることもあります。
一般的には見向きもされない状態のカメラでも、どなたかのカメラに役立つかもしれず
どんな形でも最期まで生かしてあげられたら。
修理と言えど、カメラを商売にしている人間の責任です。
とは言っても、世の中のジャンクカメラは修理人のために存在するのでは
もちろんありません。
良い物があれば、しめしめと拾い上げて大切にしてください。
ジャンクコーナーに置かれているよりもカメラもきっと喜びます。
電話の友人もニヤニヤしていたに違いありません(笑)
レンズやボディーの状態、実際に触る事が出来れば感触や動作確認もできると思います。
ですが時々聞かれるのがセレンの状態についてです。
反応はしていても、その度合いを判断しにくいのかと思います。
と言うことで簡易的な判断方法をお伝えします。
セレンの状態を確認したい時には、受光部を蛍光灯ぎりぎりに近づけてみてください。
その時の明るさがライトバリュー約15程度になります。
LV15は快晴の屋外の明るさです。
この時にカメラ側の設定がEV15で重なれば、そのセレンはほぼ正常に発電しています。
蛍光灯直前≒LV15=EV15(例:SS1/125 , F16 , ISO 100)
ただ、この確認で全てを判断することは出来ません。
劣化したセレンは発電力が落ちるだけでなく、
発電はしていても起電力の曲線が理想線以上に波打っている場合が多々あります。
修理済みのカメラを買ったのに、蛍光灯に近づけたらそうはならなかった
と言うときには、そのカメラを修理した方がそのカメラなりのベストを求めて
許容範囲内で平均的に使えるよう、きちんと調整をした上での最良かも知れませんし、
その蛍光灯が怪しければそれまでです。
カメラもセレンもそれなりに歳をとっているのですから。
もちろん当店も専用機器を用いて正確なライトバリューで確認調整をしています。
あくまでジャンクカメラを買う時の参考に。
こんな方法もあります。
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